「責任」と「覚悟」が
揺さぶられた日々

私はどこかで “子育ても仕事も何とかできる” そう思い込んでいました。 けれど現実は違いました。 クリエイト部門に配属され、未経験の業務が一度に押し寄せ、 優先順位もつけられず、自分の不器用さや甘さを思い知らされました。 家庭でもイヤイヤ期の子に余裕を持てず、 “上手くいかない自分” に押しつぶされそうだった。 そこに追い討ちをかけるような生活苦。 さらに夫との温度差が広がっていき、 「私が何とかしないと」という焦りだけが募っていく。 ある日、疲れ切った私に、 子どもが小さな声で言いました。

「お母さん、ニコッして？」

その瞬間、胸の奥がグッと締めつけられ、 張りつめていた心が音を立てて崩れました。 涙が溢れてきました。 その時ようやく気づいたのです。 ——戦う相手は誰でもない、“自分自身”だったことに。 子どもは親の背中を見て生きます。 だからこそ、私は思いました。 前向きに生きる姿を見せることも、母としての責任なんだ と。 完璧じゃなくていい。 背伸びしなくていい。 でも、子どもと一緒に成長できる自分でいたい。 その想いが、私の覚悟になっていきました。